構法と造形 内田よし哉 建築レクチュア217

内田さんの経歴をみると、改めて建築界の巨人である。

そんな内田さんがこれまで考えたこと(ほんな一部なのだと思うが)、最近について考えていることが垣間見えた気がする。印象的だったのは、最近の建築界への問いへの答えだった。

氏は最近の建築界の動きについて、進歩のスピードが速すぎて技術が連続していない、新しいものは新しいなりに完成させるべきだ、建築界が未成熟のまま進んでいくのではないかと指摘する。自然界のようやがてはいいものが淘汰されていいものだけが残るだろうとも発言した。

氏が考える新しく不連続なものとは何なのか、建築技術は昔と比べてそんなに進歩したのだろうか。そんなことは、建築実務を始めて7年しか経たない私には(今は)分からないのかもしれない。3D製図技術が進んで、複雑な形態を理解し、製作することが出来るようになったとは言えるのだろう 。個人的興味も含めて、建築界で新しいことといえばBIMであると思う。確かにBIMを技術としてどう完成させて、未来へつないでいくのかは、自分たちの世代のやるべきことなのしれない。

そこには広義の建築の価値が付随しなければならない。

 

レクチュアの中で話された、内田さんのこれまで考えたことに 、連続させようとしているものが現れているのかもしれない。私が感じたことは単純明解で作りやすそうなもの、それは美しくあるというイメージだった。

 

(下記はテーマ)

・鉄骨シェル

・PSPC版

・フィーレンディールの手摺側桁

・PSPCの模様打ち

・有孔耐力壁

・プレハブ化された和倉

・ポストテンションで各階無窓

・床を屋根トラスから吊る

・美しいスリッパ入れ

・超軽量立体トラス

 

PSPC版や、階段の側桁は建築の部分についての話かもしれないが、建設プロセスや流通プロセスに対してメッセージがあるように感じる。例えばPC版の屋根は建設プロセスの早い時期から、設備の納まりを調整しないとうまくいかない。では、設備との調整プロセスはどうするのが良いか?といった。そうしたことも含めて技術をいかに成熟させるか、が私のような次の次の次くらいの世代にとって、やはり重要なような気がしている。