環境と建築 SANAA

「環境と建築」講演会

最近プロジェクトについて、タイトルにあるように環境(ここでの環境は敷地とその周囲の環境を意味していた)と建築の関係が主に説明された。

EPFL ラーニングセンター

大きなうねる床の外観は強く見えたけど、内観では広い地面のようで、内部空間というより外部空間のように見え、それを実現するために視線のコントロールが緻密に設計されていることを知った。ある場所からは何が見え、その先には何が見えるか、そこから動くとどういう風景が広がるか。

オーガニックに空間がつながる。外との関係に反応していく。

ルーブルランス

地形の波にのる、という言葉にあるように、長い空間が地面に沿って計画される。周りの環境を映し出すアルミの外壁

グレースファーム

地形に沿う低い屋根で有機的な平面形状、流動するような平面形状は動線を作るだけでなく、個々の場所が周囲の緑地で包まれるように計画されていた。建物がパドックの塀のように見えるように

鶴岡のホール

フライのボリュームと周囲の環境を調整、タワーを隠すような屋根

建築を建築で語る、こういうスタンスは少なくなっているのかもしれない。だからこそか、見た目とは違う強度を感じる、白くて細くて薄い建築であることは場所をつくる建築として説得力を持っているように思う。透明であることは建物がどんな風になっているかわかりやすくするという、それは場所を作るための囲いであるということなのかもしれない、壁というよりも。犬島のプロジェクトの話しがあったが、こんな言い方はおかしいが、妹島さんのような建築家でも住民参加の住民と一緒に考えていくようなプロジェクトに関わっている。それは震災と以後の経験と無関係でないように思う。妹島さんがどんな風にしようか迷っているうちに、住民(素人)が作ってしまったものがかっこいいという。SANAAの妹島さんでもそういったコメントをするこの時代 に建築を設計する者がどういった役割を果たすか。

 

2017.10.30