NEW LIGHT POTTERY

ninkipen設計のオフィス+ギャラリー

築50年の民家の改修ということである。

民家であった頃の1階のおそらく居間の部分をエントランスとオフィスと打合せスペースに改修しているようであった、2階がギャラリーとなっている。民家だった頃の2階の用途は聞き忘れたが。

家であった頃は、庭に面して周囲に田んぼが広がる穏やかな風景に囲まれた部屋であったろう所が、オフィスとなっており、贅沢な環境である。暖かい気候であれば、外でランチをしたり、バーベキューをしたくなるような場所だ。民家の頃のエントランス(玄関)の場所を聞き忘れたので、また今度聞いてみないといけない。もしかすると、アプローチを変えているのかもしれない。

オフィスエントランスと打合せスペースは白、ギャラリーは黒というコントラストをきかせた空間構成である。このコントラストが2階ギャラリーの照明たちを演出している。(この演出にひかれてか、妻はここの照明を気に入ったようだ。もちろん私も)木造の架構や既存の荒壁を含めて、白と黒を塗り重ねる。そのレイヤーはそれぞれの要素を決して隠すのでなく、際立たせているように見えた。木の肌が空間のアクセントとなっている木製建具も2つの内部空間に対して抱き(白)と面付き(黒)という対比がなされていたのではないだろうか。

既存建物に新たに挿入されたトイレはかつての庭に新たな領域を作り出す。これがあることでテラスの意味が強化されているように思われる。エントランスに対して正面からアプローチさせる方が、よりこの意味を強調できたような気がしているのだが。

外構は舗装と通路で領域が明確に与えられているが、石の材質や細かさ、粗さで分類されていて、曖昧さと明確さが混じったような気分であった。

一緒に行った子どもたちが思わず走り出してしまう。そんなおおらかな場所にこんな細やかな場所があることはなかなか想像がつかないかもしれない。内部には和紙が使われた繊細な仕上げが丁寧に配置されていた。周囲を囲む一見綺麗な住宅群にはなかなかそういった細やかな仕事が無いのだろうなということを想像すると、こうした建築の所作がそこにある意味がとても大きなことのように思えてきた。

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