リビング・シフト 面白法人カヤックが考える未来

「リビング・シフト」という言葉の通り、住み方が変わることで働き方、生き方が変わる時代が来ているのではないか、その予感や実感を実例を交えて紹介しながら、筆者の考えを伝えている。

東京と地域の関係、地域と人の関係、地域と働き方などについて触れていくが、「共感」「コラボレーション」「つながる」など、住み方が変わることで働き方が変わり、人とのつながり方が変わるのではないか、という思いを感じる。組織にこだわらない「関係社員」という面白い言葉も印象的であった。「関係社員」とは組織の中に限らずいろいろな人たちとつながることで新しいもの面白いものが生まれるのではないか、という仮説である。

コロナ禍の今、人とつながることに壁ができているように感じることもあるが、SNSを代表とするさまざまなツールがある今、つながろうと思えば手法はいくらでもあるような気もする。

筆者は最後に、リビング・シフトがもたらす未来として、ゆるやかな時間を価値として取り込む新しい形を資本主義が労働時間の総和を価値としてきたことからの変化としてあげている。住む働く場所を個人が突き詰めることで、資本主義を変えるヒントがあるのではないかと問いかけている。